SMC-3000G (5) その後

SMC-3000Gは、プロダクションのビデオ編集という用途にフォーカスして開発されたので、小さな市場ではあるがその分野での評価は高く、プロダクション、地方局、学校などで広く利用された。また、当時中国の放送局に制作システムを納入するビジネスが盛り上がっていたので、日本語の代わりに中国語に対応したバージョンも作られ中国でも販売された。

SMC-3000GPChina

SMC-3000GP 中国モデル

SMC-3000GChinaTitle

中国なので得意の選挙速報ネタがない。

 

1990年頃、海外ではすでに、PCをベースにしたシステムなどが他社にあり中国以外は導入されなかった。当時、アメリカでは “VideoToaster” という Commodore の Amiga 2000 (1987)というゲームパソコンを元にしたスーパーインポーズができる編集システムとして人気があった。 Video Toasterはその後、PCにも移植されている。

 

 

 


また国内では JVCが文字テロップ専用機を販売していたし、アメリカの放送局では Chyron 社の高性能のエフェクターがよく使われていた。

1988年の NAB (アメリカの放送機器業界最大の展示会)では Avid Technology による世界初のノンリニアビデオ編集システムが発表された。これをきっかけにビデオ編集のシステムはテープを使って編集するシステムから、一度すべてデジタル化してPC上で編集するノンリニア編集のシステムへと徐々に置き換わっていく。 それにしたがって、SMC-3000Gのようなアナログ信号にデジタル情報を重ねるシステムは役割を失っていく。

 

(有名な Avidの最初のデモ。ビーチバレーのボールが爆発する編集を画面上で一瞬のうちに実行。これを最初に見た時は驚いた。)

GenLockerのようなアナログとデジタルが混在する領域というのは1980年から2000年頃までのソニーの得意な分野であった。その後、製品もメディアがほぼ全部デジタルになっていくと、ソニーとしての優位性は失われていった。業務用機器であった SMC-3000Gはその流れの最初の兆候であったと思う。SMC-3000Gは直接後継モデルは開発されず、1990年に関連するソフト開発などは終了したと思われる。

その後、1993年に NEWS Workstation を元にした VWX-6000というビデオ編集用の高性能グラフィックススーパーインポーズのシステムが発売されているが、高価であり、時代がすでにノンリニアに向かっていたので、スポーツの生中継などのニッチ用途で使われた。

VWX6000-1

NEWS Workstation と組み合わせて使うVWX-6000

この後は業務用ビデオは全てデジタルのプロセスになったので、アナログにデジタルでスーパーインポーズする機器は無くなり、ソニーもノンリニア編集機を開発した。

 

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