幻のSMC-T11

同時期の「幻の商品」を SMCシリーズの最後に紹介する。


1985年ごろに米国向けに開発されたSMC-T11は Typecorder  の後をねらったポータブル機であった。キーボード、数行の液晶文字表示を備えている。一番の特徴はプリンタ(感熱式)を内蔵したところである。ワープロ、表計算、通信ターミナルなどのソフトが組み込まれていた。後の “PRODUCE” の原型のようなものである。また、この時期としては珍しくモデムを内蔵していた。型名の”T” は Telecommuniation の T だったと思われる。

SMC-T11

SMC-T11 試作機 (Computer History Museum 所蔵)

 

このモデルは、ソニーが企画し、アルプス電気に設計・製造委託されたものである。その後、アルプスは日本で流行した各社のポータブルの日本語ワープロの設計製造をてがけたらしい。 SMC-T11には FDDはついていなくて、記録媒体としては独自の SRAMカートリッジが採用された。また、内部の回路は MSXのチップが一部流用されていたらしい。内蔵ソフトをアスキーが開発したのもその関係だと思われる。

SMC-T11は Typecorder と同様に米国市場向けに企画されたが、試作機を作った時点で、開発中止となり幻の製品となった。試作機のうち米国の著名なアナリスト Paul Safo に貸し出されて使ってもらったのが、なぜか、現在 Mountain Viewの Computer History Museumに収蔵されている。ソニーに返してもらっていたら、今頃どこでも見ることはできなかったはずである。(写真はその収蔵品である。) また、 メディアラボの Nicholas Negroponte教授にも貸し出されたらしい。

この SMC-T11は量産されなかったが、このときに開発された SRAM カートリッジはなぜかオリベッティの電子タイプライターの記憶装置に採用され、数年にわたりソニーからオリベッティにOEM供給するビジネスを生んだ。

JWR10

東芝の初代 RUPO (JW-R10) , 1985 http://nihonbungeisha.cocolog-nifty.com/kahooblog/2006/09/2_3797.html より

 

 

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幻のSMC-T11」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: MSX(5) ビデオタイトラー | Good Old Bits

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