Videotex (2) CAPTAIN

電電公社/NTTのVideotex サービス、CAPTAIN(1984) はパソコン通信のように文字を垂れ流すだけではなく、カラーの図形や表示位置、色、大きさなどを指定した文字表示をするプレゼンテーションプロトコルが定義されていた。低解像度ながらビットマップの画像も表示可能であった。また、サーバーは CAPTAINセンターのようなものをNTTが管理していて、配信したいサービスはそのNTTのサーバー側に実装する必要であった。パソコン通信が通常のアナログ電話交換網の両端にモデムを配置してデータ通信をしたが、CAPTAINは専用のデータ交換網を持っていて、加入者回線はアナログのままであっても、最寄の電話局で、専用のデータ交換網につながり、そのまま、NTTの外にでることなく、CAPTAIN情報センターのサーバーに接続された。専用網であったため、通信料金は全国一律の時間課金であった。

CAPTAINシステムについての詳細は下記の日立製作所の解説記事で概要が述べられている。


http://www.hitachihyoron.com/jp/pdf/1985/05/1985_05_02.pdf

電電公社/NTTとしては電話回線網を使って音声、 FAX, 業務用データ通信ではない、あたらしい家庭用メディアを作る、というような意気込みがあって「ニューメディア」という掛け声とともに導入したのだと思う。また、西欧各国でも同様の動きがあって、国際的にも先を目指そう、という意図も感じられる。

ソニーでは大崎にあったテレビの部門でCAPTAINを始めとする、各国のVideotexに対応する端末の開発が1980年代前半から行われた。ソニー側としてはテレビの画面に映るあたらしいメディアとしての「ニューメディア」であったのであろう。また、規格書で定義された信号を受信して画面に再現する、というのはアナログ、デジタルの差はあるとは言え、テレビ受信機と考え方が似ていた、ということもあったかも知れない。

CAPTAINの端末はボックス型、テレビ一体型などいくつかのモデルがNTTから提供されたが、すべてNTTブランドなので、どのモデルがソニー製なのかは一見してはわからない。私も今のところ詳細はわからない。「ランク1」から「ランク5」まで、機能で分類されている端末のうち上位のものを受注していたらしい。

Captain

昭和な旅館の片隅で発見された CAPTAIN 端末。(詳細不明) http://p.twipple.jp/gl959 より

 

キャプテンサービス開始当時の画面らしき動画

 

CAPTAINは端末が当初は20万円近くしたこと、情報提供者になるためのハードルが高いこと、などが障害になり、普及しないまま 2002年にサービス終了している。インターネットが1995年ごろに爆発的に普及した後、7年間もサービスを継続していたことには驚く。最後の端末が何を表示していたか興味深い。一般家庭用以外にショッピングセンターの案内端末などにも利用されていた。当時、横浜の地下街に設置された、ときいてわざわざ見に行った覚えがある。

 

 

電電公社/NTTは同時期に “INS”(高度情報通信サービス)を開始している。 (1988) これはその後 “ISDN” として一般家庭でも利用されるようになったものである。2000年頃に、ADSLが普及する前に128Kbpsで全国一律の時間課金で通信できたので、使っていた人は多いと思う。INSは現在でも NTT東・西の家庭向け営業品目に入っている。インターネットにつなぐために使う人はほとんどいないと思われるが、一時期広く使われたので、様々なレガシー機器・サービスのために維持されているであろう。

NTTグループはその後も、いくつか情報サービスとネットワークを統合したシステムを開発している。 DoCoMoの“i-mode” (1999) はガラケー時代には大成功をした。家庭用電話用の “L モード”は名前からして i-modeの再現を狙ったサービスで 2001年に導入されたが加入者は増えず 2006年に新規加入を停止している。

日本でのテレビ向けVideotexはアナログ放送時代には字幕放送や番組表以外に全国規模のものはなかったが、地デジとともに「データ放送」が導入された。BMLという独自のHTMLに似て非なる複雑な専用プロトコルが開発されてしまう、というところに、日本の放送・通信業界の学習能力の無さが露呈している。ご存知のように地デジのデータ放送は番組表以外はあまり利用されていない。

LMode

Lモード 端末 (1999) http://middle-edge.jp/articles/lKVj6 より

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