テレビ電話「みえてる」

通信自由化で、ソニーは電話機に参入したが、その中で特筆すべきは「テレビ電話」であろう。1987年に「みえてる」という名前で発売された。

これは、小型の白黒モニターとカメラが内蔵された端末で、2台を電話網経由で接続するとカメラで撮影した静止画を数秒かけて相手の端末に伝送して表示できる、という装置である。伝送中は通話できないし、静止画だけなのを「静止画テレビ電話」と大胆に言い切っている。

この製品はほとんどアナログ技術でできていた。モニターは当時人気のポータブルテレビ”Watchman” (1982) 用に開発されら横から電子銃で薄型画面に映像を映す特殊な白黒ブラウン管 (通称ペチャトロン)が使われ、カメラは白黒の真空管式である。また、電話線経由の静止画の伝送ではデジタルではなくアナログのFM変調で白黒輝度信号を送っていた。(アマチュア無線で使われていたSSTV (スロースキャンテレビ)のようなものであろうか?) さすがに送受信する静止画を保持するバッファーはデジタルのメモリーが使われていたと思われるがそれ以外はすべてアナログである。

Watchman

平面ブラウン管を使った白黒ポータブルテレビ “Watchman” (1982) http://www.flickriver.com/photos/tags/fd210/interesting/ より

 

この「みえてる」 (PCT-10)は定価 49,800円で発売された。ソニーブランドとNTTブランドがあったらしい。ソニーが家庭用テレビ電話を出した、という話だけで話題になり、「これからは電話に出るときもお化粧しなくちゃ」とか深夜のテレビ番組 「11PM」で大人の使い方がネタになる、というようなことがあったと思う。

この後、ソニーや通信機器メーカー各社はちゃんと動画が送れて通話もできるデジタルテレビ電話・テレビ会議のシステムをいろいろな形で開発する。21世紀に入ってからでは 2001年に NTT DoCoMoが FOMAの導入時期に携帯電話のテレビ電話機能を大きく取り上げたのが記憶に新しい。ままた、最近では Skypeをパソコン、スマホ、テレビなどに載せて、全世界無料でテレビ電話でつなぐことも出来るようになった。にも関わらず、写メール、Instagramなどのように「流行」したことはなく、必要な人がつかうものにとどまっている。 「相手の顔をみながら電話する」という行為そのものに一般的なニーズがないのであろうか?

 

(動画 FOMA テレビ電話CM 黒木メイサ出演)

業務用のテレビ会議システムはソニーでも様々な製品がその後販売されている。

 

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