MAVICA (2) 静止画システム

1989年、ソニーは消費者向けのモデル以外に、 ProMAVICA  (MVC-5000) を発売し、新聞などの報道機関に売り込むことにした。

mavica-mvc5000

望遠レンズをとりつけた ProMAVICA MVC-5000 (1989) http://www.nikonweb.com/mvc5000/ より


アメリカでは1982年に初の全国紙 “USA Today”が創刊されている。従来の新聞と違いカラー写真を多用し、全国同一内容で発行するという新しいスタイルで急成長した。このころ、新聞業界では編集、印刷の電子化や、紙面カラー化などの動きが全世界で始まったと思われる。

News_USAToday32

アメリカ初の全国紙 USA Today 創刊号 (1982/9/15) グレース王妃の死去を伝えている。 毎日1面がカラー。  http://www.newseum.org/2014/09/19/usa-today/ より

 

新聞社にMAVICAを売り込むために、ソニーは複数の機器からなる静止画情報システムを開発した。このシステムは下記の製品からなる。

*カメラ Pro MAVICA (カメラは撮影だけで再生できない。)

*Video Floppyで撮影した画像を再生するための MAVICA デッキ。

*撮影した画像をカラー印刷するための熱昇華転写型カラープリンター MAVIGRAPH

*撮影した画像を電話回線経由で伝送する「静止画伝送機」

mavica_lineup

1989年に発売された ProMAVICA MVC-5000 と MAVICAデッキ(左側)、MAVIGRAPH プリンタ (右上段)、静止画伝送機 SFU-1000 (右下段) http://www.nikonweb.com/mvc5000/ より

 

最後の「静止画伝送機」は、当時、PC, Videotexなどを開発していた部門 (MIPS事業本部)で開発された。この静止画伝送機 SFU-1000は立派なデジタル機器である。Video Floppyに記録されたアナログ映像をデジタル化して JPEG圧縮し、モデム経由でファイル転送プロトコルで伝送していたのである。いまなら PC, スマホでボタン一つでできることであるが、このシステムが導入されたソウル・オリンピック (1988年)のころは専用機が必要だったようである。

実は、これより前の、1984年のロサンジェルス・オリンピックの時に、ソニーはまだ試作機だったMAVICAを朝日新聞に貸し出して、カラー写真を速報として紙面に掲載するために使用された。この時期に、どういう手段でMAVICAで撮影した画像を日本に送ったかは不明である。

静止画伝送機はその後 ポータブルな SFU-110というモデルが開発され、取材先から音響カプラーで写真を入稿する、というような使われ方もしたらしい。

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