SIOS (1) 統合電子ファイリングシステム

1984年頃, 英文ワープロを開発していたグループからわかれたグループがさらにハイエンドの文書管理システムの開発に乗り出した。これが SIOS (Sony Integrated Office System ”サイオス”)である。 これは、文章の作成ではなく書類のファイリングのためのシステムであった。ドキュメントスキャナー、レーザープリンターと、大型の光ディスクドライブと Unix Workstation から構成されていた。

SIOS1

SIOSのオートチャンジャーがないディスク一枚の構成

 

発端は米国特許庁 (Patent and Trademark Office (PTO))が、保管している紙の特許情報が劣化して使えなくなることを懸念し始めた、というところにあった。これがきっかけになり、日米欧の特許庁が電子化を模索しはじめた。日本ではソニー創業者の井深名誉会長が日本発明協会の会長であり、その関係で特許庁から特許電子化についての可能性検討の話が、ソニーを含む電機各社にあった。これをうけて、ソニーでは、当時業務用機器全体を統括する森園副社長がソニーでそれを実現させよう、と開発に着手した。一方、大賀社長は、そのような官庁の大型情報システムはソニーの手に余ると考え、これに反対した。そんな状況のなかで、厚木でIT関係一式を開発している MIPS事業本部で、各国特許庁用の書類ファイリングシステムを開発することになった。

(ちなみに、日本の特許庁のシステムは日本のIT業界にとって鬼門であるらしく、最近 東芝とアクセンチュアが受注したが5年かかっても完成できなかった、という事件があった。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/031000193/ )

現在の各国の特許庁のシステムは、出願された特許の内容を文字と画像にわけて意味構造にそってデータベース化されていて、全文検索可能であるが、このときソニーが開発していたのは紙の書類をスキャナーで読み込み、画像として保存するシステムであった。キーワードや特許番号、出願者などの情報は別途データベースに格納する方式であった。

膨大な静止画情報を記録する媒体としては、追記型光ディスクが用いられた。追記型光ディスクは直径が30cmのカートリッジに入った DRAW (Direct Read After Write)ディスクだった。これは容量は最大3.28G byteの追記型データメディアである。つまり、ブランクメディアに追記していけるが消去はできない、というものである。

SIOS2

右側の箱が DRAW Diskのデッキ。

 

一枚では足らないので、最大50枚を自動的にドライブに入れ替えする「ジュークボックス」の装置も開発された。

Changer

ドイツの専門書に掲載された DRAW Disc Auto Changer の構造図。  

http://www.springer.com/jp/book/9783540193395?wt_mc=GoogleBooks.GoogleBooks.3.DE&token=gbgen#otherversion=9783642737626 より。

 

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