SIOS (2) システム構成

SIOSはDigital DRAW Disc をつかって、当時官公庁などで書類のアーカイブにつかわれていたマイクロフィルムや紙を電子的に置き換えようというシステムであった。一度書き込むと消去できない、というメディアの性質が特許などのアーカイブに適していると考えられたのではないかと思う。ただ、寿命が30年と当時のカタログに書かれていて、劣化する紙の書類を置き換えるという当初の考えとの矛盾を感じる。とりあえず電子化さえすれば、その後はなんとかできる、という考えだったらしい。

(言うまでもないが、現在ではこのような大規模ファイリングシステムは、多重化した大量のハードディスクに保管して、ハードウェアが故障しても内容は保証されるような方法で運用されている。ただ、これもシステムが稼動しなくなったあとは情報が残らないので、歴史的な情報はアナログの紙やフィルムで保管することが必要かもしれない。)

SIOS全体の動作を制御するコンピューターとして IOS-1000というシステムが開発された。これはメインボードに Motorola 68010 (MMU/DMAC付き)を搭載し、 Bit Map Displayを動作させる 68000の subsystem, network, 光ディスク、データ圧縮, プリンター/スキャナーなどそれぞれの I/Oを担当する Intel 80186を使った 4つのSub systemなどを独自のマルチプレックスバスで接続した複雑なシステムである。とくに Display Subsystem は Bit Block Transfer などの描画ルーチンをハードウェアで実行するために複雑な回路がTTL ICで組み立てられた。

SIOS-System

SIOSの中核部 IOS-1000の構造 日経データプロ 1985年 4月 (外国人への説明のためか、英語の手書き翻訳あり)

 

複数のIOS-1000をEthernetで接続し、光ディスクを接続したサーバーと、検索や入出力をおこなうワークステーションの両方の用途で使用できた。

SIOS-Block

LANで接続された SIOSの構成 (日経データプロ より)

 

Main CPUは Unix (System V)で動作し、ネットワークは TCP/IPまたは XNS (Xerox Network System)をサポートしていた。画像の圧縮は白黒文書であったためか G4 Faxの方式が使われた。

基本的なハードウェアだけでもかなり複雑なものであり、実際に特許庁が使うためには、この上にさらに大規模なデータベースシステムが必要であり、規模、信頼性保証など、様々な課題がまだあったと思われる。

1986年に日本で発表された、SIOSの基本システム (光ディスク1台、チェンジャーなし、プリンタ、スキャナ付き)の定価は1700万円であった。

BusinessShow1986

1986年のビジネスショウで展示される SIOS http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-12.html より

 

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中