MSX (3) 宇宙ステーション「ミール」

MSXは日本メーカーとアスキーが作り上げた規格で、日本市場が中心であったが、海外でも販売された。当時、すでに IBM-PCとその互換機 (当時は PC Cloneと呼ばれていた)が、家庭用パソコンとして米国などでは使われ始めていたので、米国はMSXは導入されなかったが、ソニーは欧州(当時なので「西欧」)にMSXを導入した。英仏独では余り売れず、比較的所得の低かったスペイン、イタリアでは、家庭用PCとして販売された。

HB-F700P

欧州向け MSX のカタログ 普通のパソコンとして売られていた。



この欧州向けモデル HB-F700P (1986) カタログでわかるように、安価なビジネス用PCとして売られていた。 Mac風の GUIをもったワープロ、表計算のアプリがバンドルされていた。この “HI Word” とかのソフトはオランダのマイクロテクノロジーという会社にソニーが発注して作ってもらったものである。また、これにあわせて Mac風のDesktop UIが東京のソニー社内で開発された。ハードウェアは国内用のHB-F500とほぼ同じと思われるが、テレビの信号方式が欧州のPAL方式に変更されている。モデル名についている”P”はその意味である。

HB-F700P-2

Mac風 Desktop と ワープロ、表計算ソフト付きで販売された。

 

また、フランスの Infogrames 社にもゲームソフトの移植、開発などをソニーから依頼していた。このInfogrames社はその後の2001年にかつてのゲーム大手のATARIを買収して過去の様々なゲームの権利を手に入れるが、その後行き詰まったらしく、2009年にATARIはバンダイナムコに買収されている。

 

Infogrames 社のMSX ゲーム “TNT”

 

当時まだ冷戦末期でソ連が崩壊していなかったので、ソ連および東欧各国にはIBM-PCなどの16 bit パソコンを輸出することができなかった。COCOM規制(対共産圏輸出統制委員会規制)という西側各国の輸出規制で武器などに転用可能な製品は輸出できなかったのである。 MSXは8bit で低速CPUであったので、この規制の対象外なので、日本からソ連に輸出することができた。その結果、この冷戦末期にはソ連で日本製のMSXがいろいろなことに使われていたらしい。

MSXonMir

「ミール」に搭載された ソニーのMSX (MSXマガジンより)

 

有名なのはこの写真の宇宙ステーション「ミール」で、MSXを搭載して、画像処理の用途で使っていたそうである。また、MSXが作られなくなった後も、ソ連で勝手に互換機を作って使っていたらしい。

Russian MSX

YAMAHAのロシア語キーボードMSX

 

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MSX (3) 宇宙ステーション「ミール」」への1件のフィードバック

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