General Magic / MagicLink (1) 発端

PowerBook  100のプロジェクトでソニー役員とAppleの John Sculley会長との関係ができ、それは別のプロジェクトを生んだ。 General Magic Project である。

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General Magic 社のロゴ このウサギには ”バウザー”という名前がついていて実際に社内でペットとして飼われていた。

1990年に General Magic Inc. という小さな会社が シリコンバレーの Mountain Viewに設立された。 Marc Porat という人物が社長であった。 Marc Poratはスタンフォード大学で “Information Economy”という本を書き、 Aspen Instituteというシンクタンクで研究し、その後起業家となった人物である。彼はきわめて弁舌滑らかに将来のビジョンを語る人物であった。

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Marc Porat (LinkedInより)

1990年秋に、AppleのJohn Sculleyの紹介で Marc Poratがソニー 本社を訪れ、“Personal Intelligent Communicator” というもののコンセプトを説明に来た。彼は大賀社長にもプレゼンテーションをした。大賀社長は当初”無線端末は通信事業者の認可がないと売れないのではないか」という懸念をしめしたが、社長は検討に着手しろとIT系の役員に指示した。
General Magic は、社長のMarcの他に、 Bill AtkinsonAndy Hertzfeld という Macの世界では神のような存在のエンジニア2人が Founder であった。 Bill Atkinson は Hypercardと Macの Graphics system 全般を開発した人で、 Andy Hertzfeldは MacのOSそのものを開発した人である。もうひとり Jim White という X.400 Message protocolを開発したテレコム系の専門家もいた。

Marc Poratがソニーを訪問したときに、Apple Japan から Megan Smithという人が同行した。彼女はこの後すぐ Apple Japan から General Magicに転職する。また、Marketing 担当としてやはり元 Appleの Joanna Hoffman がいた。グラフィックデザイナーとしてオリジナルの Macの GUIをデザインしたデザイナー Susan Kareもいた。

ここに有名な Macintosh 発売のときの開発メンバーの有名な記念写真があるが、ここに写っている6人のメンバーのうち3人が General Magicの創業メンバーであった。

左から2人目が Joanna Hoffman, 一人おいて、Andy Hertzfeld, Bill Atkinson である。

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HyperCardの作者としても有名な Bill Atkinson http://lowendmac.com/2014/apples-revolutionary-hypercard/ より

 

 

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Megan Smith , この頃 Apple Japanにいた。

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Macのフォントやアイコンをデザインした Susan Kare http://www.egconf.com/presenters/susan-kare より

ちなみに、去年公開された映画 “スティーブジョブズ” (主演 Michael Fassbender)では Joanna Hoffmanは重要な役で Kate Winsletが演じていた。 Andy Hertzfeldも Michael Stuhlbargが演じていた。

Steve Jobs

映画”スティーブ・ジョブズ” の Andy Hertzfeld, Steve Jobs, Joanna Hoffman.  Andy以外は全然本人に似ていない。

 

映画に出演するにあたって Kate Winsletは Joanna本人と何回か会って雰囲気を掴んだそうある。
顔は全く似ていないが、映画での雰囲気はよく似ていた。 Michael Stuhlbargの Andyは顔までそっくりである。この映画は独特の構成で、実際に起こったこととはかなり違うシーンが多いが、天国にいるスティーブ・ジョブスが自らの人生を後悔をふくみながら回想している映画だと思えば、よくできている映画だとわかる。

 

1990年秋に大賀社長から General Magicについて検討せよ、という指示が小寺常務に下り、その下で PowerBookを開発していたグループ「開発プロジェクト室」にそれが伝わった。私はちょうどその一月ほど前に、芝浦のレーザーディスクの部門から「開発プロジェクト室」に移動してきて、ブラブラしていたので、取りあえず検討グループに入り、Marc Poratにまたソニーにきて貰い話を聞いた。その後、すぐソニーはこのGeneral Magicのプロジェクトにパートナーとして参加することを決定する。

 

Marc Poratはこのときのことを後でこう語っている。「ソニーを訪問して、大賀社長と役員たちに General Magicの説明をしたが、あまりポジティブな反応ではなかった。やはり日本企業らしく、検討、根回しに長い時間がかかるのだろう、と落胆していたら、一週間後に大賀社長から「やろう」という返事がきたので驚いた。」 私のレベルでは大賀社長がどういう判断をしたのかは知るすべもないが、Appleから声をかけられた案件をすぐ断るのも悪いし、大きな投資でもないので、とりあえずやってみよう、というような事ではなかったかと思う。

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General Magic / MagicLink (1) 発端」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: VAIO (1) GI Project | Good Old Bits

  2. ピンバック: VAIO (4) The First VAIO NOTE, PCG-707 | Good Old Bits

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