General Magic / MagicLink (4) Telescript クラウドの起源

MagicCap OS上の「アプリ」は Magic Scriptという Script 言語で開発するようになっていた。オブジェクト指向で、ボタンなどにPushされたときの動作をScriptで記述するようになっていた。また “Stamp”という概念があって、Telecard 上にアイコンを貼り付けることができるが、一部のアイコンには意味 (“Urgent”など)があらかじめ定義されていた。 (Magic Scriptは当然 HyperCardの HyperTalkに似ていたと思う。)

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Magic Cap のロゴ 丸のなかにウサギがいる http://www.pvsm.ru/sony/113454 より

 
この Teletouch という仮想商品は、通信端末でもあり、Intelligent Messaging というのを目指していた。たとえば
– ある特定の人からのメッセージは FAXに転送
– メッセージが届いたら Pager(ポケベル)に通知
– 乗る予定のフライトが遅延したら お知らせ
– 住所しかわからないあて先には印刷して郵便でメッセージを配達
などの機能を使えるようにすることを目指していた。このためにネットワークサーバー側にプログラム可能なAgentがなければいけない、というので Telescript というAgent 記述言語が開発された。 Telescriptのコードは端末とサーバー間を行き来しながら実行するというモデルだった。

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Telescript のロゴ

 
また特筆すべきは、このときこの Telescriptを実行する分散型ネットワークのことを Cloudと呼んでいたことである。Wikipediaによれば、これは事実上 “Cloud Computing”という用語の起源の一つらしい。(それ以前からネットワークを抽象化して雲のような図形で図解することはあった。)

 

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Cloud Computing の図 (Wikipedia より) Telescipt でも Networkのことを Cloud と呼んでいた。

1990年ごろにInternetはすでに企業や大学をつなぐネットワークとして存在していたが、まだ HTMLも Javaも Javascriptもないころである。その時代に、プログラム可能なサーバーとネットワークや、そのための専用言語などを開発していたのである。現在でも、端末とサーバーの間を移動しながら実行するエージェント用言語というのはまだ実現されていない。

 
また、Teletouchのような商品を実現するためには Data Wireless Networkが必要だが、このころの携帯電話はアナログ式でデータは送れなくて、唯一 Pager だけが短いメッセージを電波に載せて基地局から送信することができた。ごく一部の業務用用途で地域限定の双方向データ通信網をMotorolaが当時運営していた。

 
さまざまな意味で General Magicのビジョンや技術は時代を少なくとも10年は追い越していた。その結果、これを商品にしようとした AT&T, ソニー、Motorolaは、苦労をすることになる。

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