General Magic / MagicLink (6) AT&Tと松下

Telescriptを使ったSmart Messaging serviceは AT&Tが開発することになった。開発はまだ分社化されていなかった天下の Bell Laboratories (ベル研)の一部門が行い、事業化は AT&T EasyLinkというX.400ベースの業務用メッセージングサービスを提供している部門が行なうことになった。

easylink

Telescriptサービスを担当した AT&T EasyLinkのロゴ

端末を担当するソニーとしては、そのAT&Tの人たちと顔合わせをしないといけないと思い、SEL (Sony Electronics, ソニーの家電部門のUS側法人)の担当者と二人で、Parsippanyという New Jersey州の町にあるベル研の担当部門を訪問した。軽い顔合わせの打ち合わせだと思って行ったら、教室みたいな会議室に通されて何十人ものエンジニアが「ソニーは何をつくるんだろう」という顔で集まってきていて驚いた。

sheratonparsippany

当時よく泊まった Sheraton Parsippany. 古城のようで幽霊がでないか心配だった。

 
世界のTelecommunicationの元祖総本山のような保守的なAT&Tと、今見てもぶっ飛んでいる General MagicのTelescriptのエンジニアが直接議論する場面にはあまり居合わす機会はなかったが、相当なギャップが存在したのではないかと思う。

 
ネットワークそのものが動的にプログラム可能で、どんなスクリプトがやってくるかわからない、という状況はAT&Tとしては許容できなかったらしく、実際に稼動した Smart Messaging Service “AT&T PersonaLink”のサーバーにはTelesciptは搭載されなかった。つまり、Telecardというグラフィックスや自動転送などの機能のついたメッセージサービスを従来の技術で実装して辻褄を合わせたと思われる。

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Telescriptで開発したことになっていた AT&T PersonaLinkのパンフレット表紙

 
実験的にTelescriptのインタプリターをサーバー上で実装したところ、何もしないTelescriptのエージェントスクリプトを500個起動したらそれだけでサーバーのリソースが枯渇してしまった、という話である。

 
General Magicの天才エンジニアたちと、ソニー、Motorola, AT&Tのサラリーマンエンジニアたちがそれぞれ開発をしている間に、 General Magic社長の Marc Poratは世界中をプレゼン資料、モックアップなどを抱えて飛び回り、次々とパートナーを増やしていく。

 
電気メーカーとしては、ソニーに続いて、松下とフィリップスが第2陣のパートナーとして加わる。

 
Marc Poratが門真の松下本社に行くときになぜか私も付き添いみたいな形で一緒に行かされた。どういう会議なのかよく理解しないでついていったら、立派な役員会議室みたいなところに通されて、外交交渉みたいに、長いテーブルの片方に松下の人たちがならんで、もう片方に Marcと私がいて、彼のプレゼンを私が日本語に通訳し、質疑応答は、松下の人の日本語の質問を松下の人が英語に通訳して、Marcの答えを私が日本語に通訳する、というまさしく外交交渉のような形式で、またまた驚いた。

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門真の松下本社。

 

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