General Magic MagicLink (8) MagicLink 発売!

1994年秋、ついにSonyのTeletouch 端末 “MagicLink”、 AT&Tの Telescript サービス “PersonaLink”, Motorolaの無線 Teletouch 端末 “Envoy”が発売される。

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MagicLink PIC-1000 (1994)

 

Sony社内で、商品名について色々検討されたが、New JerseyのSonyの女性グラフィックデザイナーがロゴと一緒に提案した “MagicLink”という名前に決定した。当初、General Magic社では、TeletouchとPCのデータ交換をするアプリケーションソフトをMagicLinkと仮称していたが、それを使わせてもらうことにして、データ交換ソフトは MagicExchangeという名前で Pumatech (?)により商品化されだ。

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MagicLinkのロゴつき包装箱と本体 http://peer2.net/sjdojo/?s&paged=3 より

 

MagicLink PIC-1000は CPUに 専用に開発された Motorolaの 68349 “49er’s” を使い、512Kbyte RAM, 白黒反射型液晶、抵抗膜型 Touch Panel, プラスチックペン、9600bps modem, PCMCIA card slot, MagicBusなどを備えていた。画面は横長でペンを本体から出して操作した。厚さは分厚い部分で3cmぐらいあり、全体にラバー風のグレーの塗装がされていた。

 

今から振り返ると現代の Smartphoneからデジタルセルラーや WiFi/Btなどの無線通信を取り除いたようなハードを90年代中ごろの技術で作ったようなものである。モバイル通信機器であるのに電話線につながないと通信できない、という根本的な矛盾点があった。

 

MagicLinkは 電話線経由でAT&T PersonaLinkにアクセスして、同じ PersonaLinkユーザー同士なら TeleCardと呼ばれる文字、手書き文字、スタンプなどがハガキのように配置できるカードとして交換することができた。 PersonaLinkは TeleCardを FAXに変換したり、印刷して郵送したりもできた。PersonLink以外には文字のみのメールに変換して転送できた。

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“Downtown”にあった AT&T PersonaLinkの建物

 

AT&T PersonaLink以外に、当時 USでオンラインサービス最大手であったAmerica On Line (AOL)のクライアントも開発され、MagicLinkに AT&T PersonaLinkとは別にプリインストール された。 GUI上は”Downtown”に AT&Tのビルと AOLのビルが建っていた。 AOLは Telescriptは使っていなかったが、クライアントソフト側でAT&T PersonaLinkの Telecardサービスとほぼ同等の機能を既存のAOL上のシステムで実現していた。

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AT&Tの隣に建っていた AOLの建物 中には株式情報とニュース速報の機能があった。

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Telescriptは使ってなかったが、ほぼ同じ機能がGUIで提供されていた。

 

AOLは元は AppleLink Personal Edition という Macintosh専用のメールサービス (1988年)に起源を持つ。GUIで操作できることを特徴にして、 DOS用にもクライアントを開発し、Internet普及以前の米国でのOnline serviceとして CompuServeと並ぶ大手であった。 CompuServeもAOLも顧客獲得のために、クライアントソフトウェアと加入キットの入った3.5”フロッピーディスクを雑誌に貼り付けるなどして配りまくっていた。ついに、米国の国内線の飛行機に乗るとCAがピーナッツの子袋と一緒にAOLやCompuServeのディスクを配る、ということまであった。この頃、この2社が配るフロッピーディスクの数が膨大で、ソニーのディスクメディアのビジネスのかなりの部分を占めていたらしい。

 

また、AOLのPC/Macクライアントソフトはメール着信時に”You’ve got mail!” という音声でお知らせをしていたが、これが一種のサウンドロゴのような効果をあげていた。このフレーズは1998年のメグ・ライアン、トム・ハンクス主演で大ヒットしたコメディ映画のタイトルにまでなった。残念ながら MagicLink用クライアントはこの声を出す機能はなかったと思う。

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AOLのメールは映画のタイトルになるほど流行していた。

AOLは2000年にTimes Warnerを買収し、世間を驚かせた。Internet時代では単なる ISPとPortalの会社となってしまいそうになるが、その後様々な業態の変更を続けて、現在はオンラインメディア企業として生き残っている。Huffington Post などの有力なメディアがAOLの傘下にある。

 

MagicLink PIC-1000には、AOL以外に地図を提供する StreetLight、Game などの Application を販売する eShopなどの 3rd Party serviceも少ないながらあった。 また、PenCell (開発 PenWare社)という表計算のアプリもプリインストールされていた。

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プリインストールされていた PenWare社の Pencell spreadsheet

 

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General Magic MagicLink (8) MagicLink 発売!」への1件のフィードバック

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