WebTV (1) Magic TVからWebTVへ

General Magicから派生して、結局、General Magicより成功した製品は WebTVである。

WebTVは連続起業魔 (Serial entrepreneur)として現在まで活動している Steve Perlmanの初期(2番目)の起業で、最初の成功である。

ATARI, Colecoなどのゲーム機メーカーの後 Appleに移り 初期の Quicktimeなどの開発に関係していた Steveは、General Magic創業とほぼ同時に移ってきて、次世代のRISC CPUアーキテクチャなどを担当していた。その後、1994年に Catapult Entertainmentという会社を設立して、 SEGA, Nintendoなどのゲーム機用のモデム “XBAND”と、それを使ったMultiplayer gameをオンラインで遊べるようにするネットワークサービスを米国で開始した。

xbands

SEGA, Nintendo用のXBANDモデム。ゲームカートリッジと本体の間に挟まる。 https://en.wikipedia.org/wiki/XBAND より

このCatapultと並行していたと思われるが、Steveはまだ General Magicにも関係があり、こっそり “Magic TV”といわれるものを開発試作していた。これが Web TVの起源と思われる。この “Magic TV”はソニーのテレビ関係者の関心をひき、デモなどが行なわれたらしい。

その後、”Magic TV”は General Magic からは独立したプロジェクトになり、”Artemis”というステルスモードの会社で開発が続けられる。この会社は Steve Perlman, Phil Goldman, Bruce Leakという3人の General Magic社員により創業された “Web TV Networks” という会社になる。 (1995) オフィスが Palo Altoの街の元BMWのディーラーの建物が使われた。

paloaltodailynews19970407

WebTV 創業者3人、Steve, Phil, Bruce (左から) Palo Alto Daily News 1994/4/7号より TF氏提供

Web TVとはどんなものであったかと言えば、テレビの画面で操作できるWeb Browser専用機というのが適切な説明であると思う。1995年というのは NetscapeとWindows95の年で一般PC用のインターネットが事実上誕生した年である。そのときに、これをテレビ画面で使えるようにしたら売れるかも、と思った人は多かったと思うが、実際に実現したのはWeb TVがかなり早かった。

Netscapeは子会社の Navio Communicationにテレビ用のブラウザを開発させ、NECにライセンスしている。 NECは「インタ楽tv(インタラクティブ)」という名前の27インチブラウン管テレビのこれを搭載して1997年に発売している。

当時は家庭用でもアナログ電話回線しかインターネットには接続できなかったので、WebTVにも33Kbpsのモデムが使われていた。当然、動画再生とかはできないので、文字と静止画グラフィックスのWebページしか画面には表示できなかった。  (訂正: 動画再生もサーバー側でビットレート変換などをおこなって、可能であった。)

WebTVはCPUに General Magicでも次世代用に検討したMIPSのRISC CPUを利用していた。IDTの79R4640というもので、最大267MHzで動作する64bit MIPS coreでDSP機能も搭載した当時の家電用チップとしては高性能のものである。ソニーなどのWebTV端末は112MHz または150MHzのR4640およびその後継チップが使われた。OSとして既存のものは採用せず、専用のBrowserがチップ上で直接動作した。ソフトウェア搭載用のNVRAMとデータ用のRAMしかなく、初代の “Web TV Classic”にはハードディスクもなかった。システムソフトウェアはオンラインでアップデート可能であった。ブラウザはSpyglass社のものを移植したが、大幅に改変されたらしい。(SpyglassはNetscapeと同じNCSA-Mosaicブラウザに起源をもち、MSのIEもSpyglassを元にしていたらしい。)

WebTV Classic (Philips)の通販番組


この世代のWebTVは単にWeb Pageをテレビの画面で見えるだけで、PCに比べて起動が早いことぐらいしかメリットがなかった。なお、ナローバンドでブラウザが動作しやすいように、WebTV社の提供する Proxyがキャッシュや画像の解像度圧縮や、テレビの解像度にあわせてページのレイアウトを調整するサービスを提供していた。これは後に、携帯電話(ガラ携)用のブラウザ用に各社が提供したサービスと仕組みは似ていたと思われる。

また、当時のアナログ(NTSC)テレビの飛び越し走査(Interlace)に起因するちらつきを防止するために特殊な諧調フォントや描画アルゴリズムも採用されていたらしい。

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