VAIO(8) PCG-505 発売!

1997年11月にソニーは日本向けに PCG-505 という薄型 VAIO Notebook PCを発売する。本体から CD-ROM, FDDなどを取り去り、小型のLCDをマグネシウム合金のケースにいれて薄型化した Notebook PCである。銀色だったので「銀パソ」とかいわれていた。

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PCG-505 (1997)  http://news.mynavi.jp/column/history/003/ より

VAIO Notebook は初代のPCG-707から、背面の大きな浮き彫りの VAIO ロゴが特徴であった。ところが、PCG-505は外装にマグネシウム合金を使い、薄型軽量を実現したため、浮き彫りロゴにできなかった。苦肉の策として、VAIOロゴは影をつけて印刷され「だまし絵」の効果でロゴは浮き彫りのように見えた。これについては、批判や後ろめたさがあったせいか、次の世代の”PCG-N505” (1999) では実際にマグネシウム合金パネルへのロゴの浮き彫りを実現している。

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初代 505の「だまし絵」 VAIOロゴ印刷 http://notepc.12volt.jp/sony/pcg505v.html より

 
PCG-505は小型軽量でカッコよいだけではなく、初代モデルには様々な特殊仕様(ギミック)が実現されていた。

*耳型(?)ステレオ・スピーカー

小型軽量化のために本体内蔵のスピーカーは必要最小限のものであり、”AVパソコン”としては満足できないものであった。そこで、LCDの左右に別売の三日月型の専用スピーカーを装着できるようになっていた。

 

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スピーカーを取り付けた505  http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/VAIO/Note505EX/acce.html より

 
*タッチパッド用ペン

ポインティングデバイスとしては当然タッチパッドが採用されていたが、このパッドは専用のプラスチックペンでも操作できて、手書き文字入力にも使うことができた。その専用ペンをLCD横のポケットに収納することができた。

Pen

タッチパッドにペンで絵をかけた http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/VAIO/Note505EX/kinou.html より

 
*プログラマブル・パワー・キー (PPK)

本体側面に小さなボタンがあり、このボタンを押すと、PCが起動して、特定のタスクを実行して、またスリープする、という動作をさせることができた。メールの自動読み込みなどが想定されていた。また、同様のタスクをタイマーで自動実行することもできた。

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PPKの説明 http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/VAIO/Note505EX/kinou.html より

一方、小型、薄型、軽量と実用性のバランスをとるために、さまざまな「割り切り」や「工夫」があった。

まず、CD-ROMもFDDも外付けになった。外出時にはなくても良い、という「割り切り」である。 FDDは特殊な専用コネクタで接続されりようになっていたが、このコネクタがたまたまIBM ThinkPadの外部キーボード(?)のコネクタと同じ部品であり、間違えて505用のFDDをThiinkPadに接続すると壊れてしまう、という「事故」があった。

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505の左側面 http://news.mynavi.jp/column/history/003/ より

(LCD側にペンをしまうポケットの蓋とスピーカー用の端子と取り付け穴。
キーボード側は右から、ヘッドホン端子、マイク端子、USB, 電源端子、FDD専用コネクタ、ポートリプリケータ専用コネクタ、電話線用RJ-11端子)

 

CD-ROMはPCMCIAカード型のインターフェースで接続する別売りであった。当時、ほぼすべてのパッケージソフト (Microsoft Office など)はCD-ROMで販売されていたので、CD-ROMなしで使用することは難しく、事実上の専用アクセサリーであったので、ほぼ本体と同数販売された。本体より利益率が高い価格設定であったので、収益に大きく貢献したと思う。

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専用 CD-ROM (PCMCIA接続)をつけた505  http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/VAIO/Note505EX/acce.html より

リチウムイオン電池は円筒形のセルを直列した形状そのままで紫色のプラスチックケースにいれて、液晶のヒンジ部分に組み込むという天才的なデザインである。(この機種も後藤デザイナーが担当)バッテリーを本体の半分外側のような場所に取り付けたので、大きさが倍の大容量バッテリーと交換することができた。

 

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大容量バッテリー(オプション) http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/VAIO/Note505EX/acce.html より

また、プリンターポート、シリアルポート、外部ディスプレイポート、キーボード、マウスポート (PS/2仕様)など、通常本体についている端子類は本体にはついてなくて、専用コネクタで接続される「ポートリプリケータ」経由で接続された。デスクトップで使用するときは周辺機器を接続しておいて、出かけるときは、「ポートリプリケータ」ごと置いていけばよいという「割り切り」で実用的である。ちなみに Port Replicator (ポート複製機)という用語は Think Padなどの同様の周辺機器の名称の流用であるが、本体側に “Replicate”するポートがそもそも存在しないので、名称としては少しおかしい。

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「ポートリブリケータ」 今なら USBとHDMIで終わりのところ。いろいろついていた。 http://news.mynavi.jp/column/history/003/ より

逆に、外出時のリモートアクセスがアナログモデムしかない時代なので、モデムおよび電話線接続のRJ-11コネクタは重要なので、無理をしてRJ-11コネクタが直接ささるような構造で内蔵されている。他社では、RJ-11を接続するためには専用ドングルを持ち歩かないといけない、という実装が多かった。この外出時に必要なコネクタ類はなるべく、本体にそのまま内蔵させる、という設計思想はその後も引き継がれ、VGA, LANなどのコネクタが「直挿し」で使えるようになる。

PCG-707では本体の背面にあって使いにくかったCybershotと通信するための赤外線ポートは本体側面に移動された。

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505右側側面。右下がIRポート、中央にPPKとスライド式電源スイッチ、PCMCIAスロット http://news.mynavi.jp/column/history/003/ より

初代 PCG-505は133MHz Pentium, 32M byte RAM, 1G byte HDD というのが基本仕様であった。当時でも、実用になるギリギリの仕様だったと思う。特に 1GByteの HDDというのは WindowsとMS Officeをいれると容量がほとんど残らなかった。また、薄型の東芝製2.5インチHDDはアクセススピードもあまり速くなく、シーク動作時に「コツン、コツン」というテニスの壁うちのような音を発していた。

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VAIO(8) PCG-505 発売!」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: VAIO(12) F150, XR and QR | Good Old Bits

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