VAIO (11) LCD Desktop, Music Clip

一方、Desktop PCの方では、20世紀末には、VAIOとして初めて液晶ディスプレイ専用のデスクトップ VAIO L (PCV-L700など)が発売されている。(1999年) 全体に紫がかったグレーのデザインで、モニター、本体、キーボード、マウスなどが統一された省スペースデザインで、自宅の片隅においても邪魔にならないPCを目指していた。

PCV-L700

VAIO L (1999)

 

この形式は好評だったらしく、2000年には後継シリーズ VAIO LXが発売されている。液晶は大型化して、一部のモデルでは液晶を倒して、その上でペンを使ってキャンバスのように作画する機能があった。

 

PCV-LX80

VAIO LX (2000)

その後、この液晶デスクトップVAIOは、液晶部分の裏側に全機能をいれた「ボードPC」というシリーズでずっと継続している。 VAIO株式会社になってからも「モンスタータブレットPC  VAIO Z Canvas」というモデルが発売されている。

VAIO Z S Canvas

VAIO株式会社の VAIO Z Canvas (2016年)

 

ミニタワー型のデスクトップVAIOの方ではAV機能満載の VAIO-MX (PCV-MX1など)が1999年に発売されている。これはTVチューナー、FM文字多重放送チューナー、Mini Discドライブ、デジタルアンプ、ステレオスピーカー、オーディオ用専用表示パネルなどを満載した「究極のVAIO」的なモデルであった。Mini Discが搭載されていたがデータストレージ(Data MD)としての機能はなくて、CDなどの音源からアナログ経由で等速ダビングができるだけであった。

VAIO MX

VAIO MX (1999) http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991021/sony.htm より

 

21世紀に入ってからの2001年にこのVAIO MXシリーズ (PCV-MXS1など)は “Net MD”ドライブを搭載した、これにより内蔵のCDから音楽をリッピングしてデジタルで高速でMDに書きこむことができるようになった。このNetMDに音楽を転送する際にATRAC3という CODECと供にOpenMGというDRMが採用された。このNeMDに音楽を転送するためのソフトウェアが”SonicStage”というアプリケーションで、いろいろ制約が多く、その後、MP3で制約なくCDからリッピングしてポータブルプレイヤーに転送するiPod(2001年)などの他社製品に対する大きなきな足かせとなった。

NetMD

2001年頃の Net MD対応製品リスト https://www.sony.jp/products/Consumer/netmd/kiki.html より

 

1999年にはこのATRAC3/OpenMGに対応したペン型のポータブルミュージックプレイヤー “VAIO Music Clip”が発売されている。実はこの製品は当初 “Rio”などと同様にDRMなしのMP3再生に対応した製品として開発されたが、社内で問題となり、OpenMG/ATRAC3専用モデルとしてなぜか VAIOのブランドから発売された。

vaio-music-clip1

VAIO Music Clip (1999)  http://www.mobile-review.com/mp3/articles/sony-nw.shtml より

 

この Music Clipは “VAIO Gear” という VAIOブランドの独自周辺機器シリーズとして発売された。この他に、PC用 USB Camera (バイオカメラ)と、InfoCarry という Clieの祖先のようなモノクロファイルビューワー専用機の3種類が発売された。”VAIO Gear”はこの後もWiFiアクセスポイント、Handy GPS, ジョグダイアルなどが製品化された。

VAIO-GEAR

“VAIO Gear” 第一弾 (1999)

InfoCarry

InfoCarryを自慢するスタパ斉藤氏 (2000)  http://www.watch.impress.co.jp/mobile/column/stapa/2000/02/07/ より

 

VAIO-Gear2

その後の”VAIO Gear” 商品 (2000年頃) http://www.sony.jp/ProductsPark/Consumer/PCOM/VAIOGEAR/ より

 

また、この少し後の2001年には “bitPlay” (マルチエンターテインメントターミナルDMT-PR1)という VAIO MXのようなWindows 2000 PCが内蔵されたホームオーディオ製品が NetMDを搭載して発売されている。これは VAIOの部門と完全に別のオーディオ事業部で開発されたもので、社内で物議をかもしたが、ほとんど売れなかったようである。

BitPlay

Windows 2000 内蔵のホームオーディオ機器 “bitPlay” (2001)

 

この後、21世紀に入ってから、MD, Walkman, SonicStage, ATRAC, OpenMG, Memory Stick Audio, 音楽配信 など、いずれも、うまくいかず、「逆シナジー効果」のようなことになり、ソニーのポータブルオーディオ事業は壊滅的なダメージをうけ、Appleなどに市場を明け渡すことになったのはご存知のとおりである。このブログは「20世紀の忘れられたソニーIT製品をたどるブログ」なので、それについて詳しくは述べない。

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