VAIO(12) F150, XR and QR

VAIO NOTE は 505C1のような、特徴のあるモデルでブランドを確立したが、実際の売り上げを支えていたのは、DVD Drive, 13” LCD, Full size keyboard を内蔵した Desktop PCと機能・性能にあまり差のない Desktop Replacement とか All-in-one と呼ばれる形状の Notebook PCであった。

この系列は初代 PCG-707 / 808 シリーズに続き、Fシリーズと呼ばれるモデルが1999年から発売される。このシリーズは米国市場の要望を取り入れて商品化された。米国モデルは型番が三桁で F150, F180, F250などの番号がついていた。 F150という型番はフォードの定番トラックと同じ型番なので、よく売れた、ということはなかったと思うが、505, C1より米国では多く売れたと思う。日本でも Fシリーズは「一応出しとくか」みたいな感じでテストマーケティング発売されたが、予想を超えてよく売れたのでPCG-F26からは正式発売された。

PCGF26

PCG-F26(日本モデル) (1999)

 

FordF150

Fordの定番トラック “F150” (1999年モデル) 現在もほぼ同じ形で販売されている。 https://www.cars.com/research/ford-f150-1999/ より

 

この頃からノートブックPCにもDVD-ROMが搭載されるようになった。DVDは米国ではレンタルVHSの置き換えが主要な用途だったので、レンタルDVDが早速普及しだしていた。1999年当時、Netflixが「定額制郵送DVDレンタル」という画期的なビジネスを開始して注目を浴びていた。Fシリーズの米国発売のときに、さっそくNetflixと提携して、購入するとNetflixのDVDが何枚か無料で借りられるというキャンペーンを実施した。その頃に、Netflixが映画配信大手になるとは当然想像もしていなかった。

Netflix

NetflixのDVD郵送・返却封筒 http://www.bathroomreader.com/2013/12/how-netflix-works/ より

 

Fシリーズは特徴の付きにくい大型ノートPCではあったが、シンボルカラーの紫を使ったデザイン、アプリと電源を同時に起動する Programmable Power Key, i.Link端子など、VAIOとしての特徴を維持していた。

また、もっといろいろギミックを搭載した「ソニーらしい」大型ノートPCとして XRシリーズが1999年に発売された。 (PCG-XR7など。)この機種の大きな特徴は、本体後ろに「インタークーラーフラップ」なる可動式の通気口のようなものがついていたことである。この頃から、IntelのMobile用CPUには、電源電圧、動作周波数などを、使用電力、温度、負荷などに応じて動的に変化させる機能が実装されるようになった。これにより、電池駆動時にはパフォーマンスを最低限にして電池寿命を確保し、AC駆動時には最大パフォーマンスを出す、というようなことが可能になった。この結果、最大パフォーマンス時の消費電力は上昇していき、全般的に薄型志向のVAIOノートの設計は難度があがっていき、ヒートパイプでCPUの熱を大型ファンのそばまで移動させて冷やすなどの機構が導入された。これを普通に実装すれば、外見はそのままに出来たのに、あえて、デスクトップでAC電源に接続したときだけ、大きく、通気口が開く構造にして、それを「可視化」したのが「インタークーラーフラップ」であった。実際の効果は当然ゼロではなかったと思われるが、正確には不明である。

XR

VAIO XRの「インタークーラーフラップ」 当時のティーザー広告の画像 http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990524/vaio.htm より

 

大型ノートPCとして20世紀最後のモデルは2000年11月に発売されたVAIO QR (PCG-QR1)である。これはXRとは反対に「デザイン志向フルサイズノートPC」である。機能、性能より、デザインが最重視されたモデルである。デザインコンセプトは「パイプ椅子」という謎のデザインである。

全体に光沢のある黒でピカピカのボディで、それに銀色のパイプのような枠と運搬用のハンドルがついていた。VAIOロゴは大きく銀色で浮き彫りになっていた。全体に丸みを帯びた形状で、今までのVAIOの薄く、スマートに、という路線とは完全に逆方向の意表をつくデザインであった。素材も通常のABS樹脂やマグネシウム合金ではなく、つるつるしたポリカーボネイトだったと思う。作った方も、これを大量に売ろうとかは思っていなくて、とにかく話題を取ろう、というモデルだったと思われる。

QR1

ピカピカだったVAIO QR http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001016/sony2.htm より

 

VAIO QRは1年後の2001年に PCG-QR3という第2世代の製品が発売されている。初代の黒光りに銀色パイプという極端なデザインはより穏便な白と銀色を基調にしたものに変更されているが、大型の外付けステレオスピーカーや丸型のキートップなどのデザインによる味付けが売りものであったことは変わらない。

QR3

白くなった VAIO QR (PCG-QR3) http://www.sony.jp/products/Consumer/PCOM/PCG-QR3/feat1_a.html より

 

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