SMC-777 (3) HitBit と松田聖子

SMC-777を国内の個人向け市場に絞った商品として再導入するために、ブランディングや広告も一新された。あらたに “Hit Bit” というブランドが作られ、当時「渚のバルコニー」「秘密の花園」で人気絶頂であった松田聖子をCMやポスターに採用した。当時、国内PC各社は様々な芸能人を宣伝に活用していたので、ソニーとしてはCBSソニーの最大のスターを投入したわけである。

 

SMC-777カタログ表紙  HitBit ロゴと松田聖子

SMC-777カタログ表紙  HitBit ロゴと松田聖子

 

当時、ソニーにはCBSソニー(当時はまだCBSレコードの日本法人のみがソニー子会社)のミュージシャンをCMに使ってはいけない「不文律」があった。当時のソニー社長大賀典雄(CBSソニーの創業時社長)のポリシーではないかと思う。松田聖子のCM起用はこれに正面衝突するものであった。これを主張し大賀社長の同意をとりつけたのは、この時期 HitBitパソコンの事業部長であった出井伸之(後のソニー社長)だと思われる。

 

ブランド “HitBit”は元々同時期に導入された MSXのためのブランドとして計画された。(MSXパソコンの型番は “HB-”で始まる。) SMC-70の業務用路線からSMC-777の個人向け路線に移るときにSMC-777も同じブランディング、広告宣伝で扱うことが1983年秋の MSXとSMC-777の発売までには決定していた。

 

SMC-777 と MSX HB-55 の合同カタログ表紙

SMC-777 と MSX HB-55 の合同カタログ表紙

 

「ひーとびとのヒットビット!」というサウンドロゴや「わたしよりちょっと賢い」という松田聖子のポスターは当時話題になった。ちなみにこの ブログのタイトル “Good Old Bits”もこの HIt Bitにちょっとひっかけたものである。

 

松田聖子 SMC-777 カタログ (http://travelling.blog.so-net.ne.jp/2015-07-26-1 より)

松田聖子 SMC-777 カタログ (http://travelling.blog.so-net.ne.jp/2015-07-26-1 より)



松田聖子出演の HitBitのCM (ただし、SMC-777ではなく MSX HB-55のCM)

同時期にSMC-777のテレビCMを放送されたらしいが、放映回数はMSXより少なかった。

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